武修館5年ぶり制覇―決勝で前回Vの白樺下す【全国高校総体 アイスホッケー決勝】

  • アイスホッケー, スポーツ
  • 2021年1月26日
白樺の主将として奮闘した夏野(右)。競り合うのは武修館の清水。後ろは白樺の齊藤副主将=25日、風越公園アイスアリーナ
白樺の主将として奮闘した夏野(右)。競り合うのは武修館の清水。後ろは白樺の齊藤副主将=25日、風越公園アイスアリーナ
決勝〔武修館―白樺〕第1ピリオド1分すぎに2点目を挙げた堤を、両手を広げ出迎える佐々木=25日、風越公園アイスアリーナ
決勝〔武修館―白樺〕第1ピリオド1分すぎに2点目を挙げた堤を、両手を広げ出迎える佐々木=25日、風越公園アイスアリーナ

 全国高校総合体育大会第70回全国高校スケート競技・アイスホッケー競技選手権大会最終日は25日、長野県軽井沢町の風越公園アイスアリーナでアイスホッケーのトーナメント決勝が行われ、武修館(釧路)が5―2で前回覇者の白樺学園(帯広)を下し、5年ぶり4回目の優勝を飾った。(北畠授)

 武修館は第1ピリオド31秒にFW西脇(2年)のゴールで先制。その後も1人多いパワープレーで2点を挙げるなど序盤に大量点を奪い、試合の主導権を握った。白樺は2度パワープレーで得点したが、反撃はここまでだった。

 大会は21日に開幕。出場辞退の2校を除いた全国の精鋭23校が、5日間にわたって軽井沢町、岡谷市両会場を舞台に熱戦を繰り広げてきた。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、選手保護者を含めた完全無観客で行われた。

 ▽決勝

 武 修 館5―2白樺学園

 ▽得点者【武】西脇(佐々木)堤(鍛治、村瀬)有馬(種市、大塚)村瀬(鍛治)小川(村瀬、有馬)【白】大澤(大友、大竹)夏野(大友、齊藤)▽GK【武】大塚、渡辺【白】長崎

 ―苫小牧ゆかりのCF優勝に貢献 武修館3年佐々木(明倫中出身)、2年清水(和光中出身)

 武修館が清水、駒大苫小牧、白樺学園と相次ぐ道内強豪を撃破し5年ぶりの王座に返り咲いた。苫小牧明倫中出身の佐々木(3年)、和光中出身の清水(2年)は共にセンターフォワード(CF)としてチームの快進撃に貢献した。

 「うれしいの一言です」と満面の笑みを浮かべたのは佐々木。高校総体は一昨年が3位、前回大会では3回戦敗退と苦しんできた。それだけに今大会は「絶対に優勝したかった」と言う。

 特に準決勝の駒大苫小牧戦は力が入った。第1セットのセンターとして攻守に献身的なプレーを披露。「少ないチャンスをしっかり物にできたのが勝ちにつながった」と振り返る。

 決勝では先制点をアシスト。武修館は「選手一人ひとりの個性を尊重してくれる。いい味を持った仲間たちに恵まれた」と感謝した。4月からは関東の強豪明治大に進学する。「1年目からレギュラー入りを目指したい」と抱負を語った。

 第3セットの清水は、中学2年時に白樺の夏野主将らと共に全国大会優勝を経験していた。高校でも2年生として全国制覇を達成。「3セット目らしく守り主体のプレーができた」と達成感を表した。

 先輩の佐々木とはパワープレーでスペシャルセットを組むなど、共闘機会は多かった。「佐々木さんはシュートブロックなど体を張る姿勢がすごい」と今後はスタイルを継承していく構えだ。

 来年は武修館初の大会連覇に挑戦する。清水は「先輩たちはプレーしやすい環境をつくってくれた。次は自分たちが後輩にしてあげたい」と意気込んでいた。

 ―「最高の仲間たちと最後まで」 白樺学園3年主将 夏野(和光中出身)

 白樺の3度目となる連覇の夢は惜しくもかなわなかった。苫小牧和光中出身の夏野主将(3年)は決勝を終えて「相手の決定力がすごかった」と振り返りつつ、「最高の仲間たちと最後まで一緒にホッケーができた。悔いはない」と胸を張った。

 自身は第3ピリオドの1人多いパワープレーでリバウンドをたたいたゴールで一矢報いた。「狙った通りに決められた」と言う。

 中学時代に全国大会2連覇を達成。2009、10両年に白樺の高校総体連覇に貢献した兄卓也さんの影響で同校入りした。昨年度の全国選抜、高校総体を共に制した1学年上の先輩たちから、大役を託された。

 歴代の主将には平野裕志朗(横浜グリッツ)や小林斗威(王子イーグルス)など名だたる苫小牧出身選手が多く、「最初は荷が重くてやりたくなかった」と振り返る。支えになったのは同じ苫小牧から白樺へと進んだGK長崎や副主将の齊藤ら同級生。日増しにチームをまとめ上げ、決勝の舞台までたどり着くことができた。

 今では「主将になって本当に良かった。幸せだった」と言う夏野。すがすがしい表情で3年生として高校総体に別れを告げた。

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