火を操りうま味引き出す  苫小牧 鳥千じろう 手羽先

  • ニュース, 当店のいっぴん
  • 2021年1月11日
10人前を1人で食べる人もいる人気メニューの一つ
10人前を1人で食べる人もいる人気メニューの一つ
カウンター席とテーブル席がある店内。串物のテークアウトもできる
カウンター席とテーブル席がある店内。串物のテークアウトもできる

 苫小牧市錦町の繁華街で40年以上、のれんを守ってきた焼き鳥店。新型コロナウイルス感染症の流行で飲食業も打撃を受ける中、2代目店主の植野泰幸さん(38)は「昨年は大変だったが、常連の方々などに支えてもらった」と感謝の気持ちを口にする。

 メニューは串物(基本3本セット)に酒類とシンプル。串物は鳥肉(税抜き320円)や豚精肉(同350円)など。

 中でも手羽先(同380円)は、泰幸さんが「1人で10人前も食べていく人がいますよ」と頬を緩めるほどの人気。ほかの肉とともに毎日3、4時間かけて仕込み、食べやすいサイズに切りそろえて串に刺す。炭火で焼き、串を外してから皿に出している。

 炭火焼きで余分な脂を落とし、塩とこしょうのみのシンプルな調味で肉のうま味を引き立たせているのがこだわり。

 札幌市の平岸にあった店で修業した父の佳徳さんがその店名の使用も許され、1977年に郷里で開業したのが同店。泰幸さんは25歳から本格的に店を手伝い、父から技術を学んだ。その父が2013年に病気で亡くなり、31歳で店を継いだ。

 火は生き物、見られなくなったら、店をやめろ―。父の言葉を胸に、うちわで火加減を調節し、1本ずつ丁寧に味を付け、口当たりよく仕上げている。

 苫小牧市錦町1の5の14。営業時間は午後5時半~午後10時半。日曜定休。電話0144(34)7504。

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