とまこまい医療介護連携センターと苫小牧市、苫小牧市医師会は8日、医療や介護、福祉関係者を対象に新型コロナウイルス感染症対策に関するオンラインセミナーを開催した。静明館診療所(札幌市)の大友宣医師、栄町ファミリークリニック(同)の中川貴史医師が、クラスター(感染者集団)などの事例を基に予防や対応策を語った。
大友医師は札幌市で発生した介護施設のクラスターについて、感染や濃厚接触、家族の反対などで多くの職員が勤務できない状態になったことや、医療機関が逼迫(ひっぱく)している場合は入居者が入院できないこともあるなど、施設におけるコロナ発生時の状況を説明した。感染予防と拡大防止、収束に向けては「全ての人が病原体を保有していると考えて対応することが最も重要」と話した。
中川医師は今後の課題について、感染リスクをできるだけ避け、状況を正確に把握する計画性、クラスター対策班や対策本部の早期派遣や設置といった迅速性などを挙げ「万が一はどこでも起こり得る。他者を責めずに認め合い、良いチームをつくって乗り越えるしかない」と力を込めた。