東胆振唯一の感染症指定医療機関、苫小牧市立病院は新型コロナウイルス感染拡大対策で、道が定める医療提供体制のフェーズ(局面)が「3」に移行した場合、道の要請に基づき段階的に増床する方針だ。現状は病床使用率に余裕があり、増床には通常診療や入院の制限が伴うが、佐々木薫事務部長は「重点医療機関としてコロナ対策は最優先」と強調している。
3日の苫小牧市議会定例会で、桜井忠氏(会派市民)の一般質問に答えた。
同病院のコロナ感染症病床は12床で、佐々木事務部長は現状について「使用率は一定程度の余裕がある」と説明。病床の入院状況は4~5月が平均3人程度、最大8人に対し、感染が急拡大した10~11月は平均6人程度だった。
11月の第3~4週は東胆振以外の患者を受け入れ、「満床に近い状況もあった」と言うが、退院基準見直しによる入院期間の短縮、宿泊療養施設の整備などで、東胆振の陽性患者を順調に受け入れた。11月9日に東胆振、札幌を含む道央圏のフェーズが1から2に変更されたが、「(道から)さらなる増床の要請はない」と述べた。
一方、今後フェーズ3に移行した場合、道内全体のベッドコントロールに基づき「段階的に増床を行う」と説明。現在は1病棟46床を休止し、コロナ感染症病床を確保しているが、増床した場合は「少なくとも同一階の別病棟を休止する」とし、周産期医療や救急医療など一部を除き、通常診療や入院の制限が必要になるとの認識を示した。