苫小牧市医師会(沖一郎会長)が新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備え、「苫小牧発熱検査センター」と「小児発熱検査センター」を開設してから2日で1カ月が過ぎた。発熱検査センターは1日当たり17.68人、1カ月で300人以上を検査し、前身のPCR検査センターの4倍近い利用となっている。道内でコロナ感染拡大が止まらない中、積極的な検査で抑え込みを図る。
両センターは11月2日、市内に開設。PCR検査体制を強化し、コロナとインフル両方の検査機能を集約した。発熱などでコロナ感染の恐れがあり、かかりつけ医などが検査を必要と判断すれば、予約制で検査を受けられる。
発熱検査センターは10歳以上が対象で、PCR検査センターの人員を3倍近くに広げた。小児発熱検査センターは9歳以下の小児専門となっている。
このうち、発熱検査センターは平日午後1時半~同5時に検査。11月2日~30日の19日間で336人、1日平均17・68人を検査した。PCR検査センターが5月25日~11月1日の110日間で(道検査分を除き)494人、1日平均4・49人の検査に対し、約4倍を受け入れた計算になる。
胆振管内は11月、月別新規感染者が121人に達し、それまで月別最多だった10月(36人)の3倍以上に感染が拡大。クラスター(感染者集団)も相次いで発生したが、新規感染者ゼロの日も4日間あった。沖会長は「早めのチェックが奏功し、道央の他地域に比べ感染者数は抑えられている」と分析する。
小児検査センターの検査数は、プライバシー保護のため非公表だが「インフルはまだ流行しておらず、現状で十分対応できている」と説明。仮に児童を中心にインフルが流行した際は、両センターの運用を柔軟にして乗り切ることも可能とし、コロナとインフルの両にらみで即応する構えだ。
コロナの先行きが依然として見通せないため「これからが本番」と気を引き締め、12月以降さらに緊張感を持って臨む。