苫小牧市社会福祉協議会はコロナ禍で地域の見守り活動が制限されていることを受け、感染対策を踏まえた取り組み方法や必要性を改めて知ってもらおうと、ガイドブック集を製作した。活動時の留意点や地域のネットワークなどについて、イラストや図を用いながら分かりやすく紹介している。市内の全町内会と老人クラブに配布しており「各団体で情報を共有し、活動再開や継続に役立ててほしい」と語っている。
同社協は今年5月、市内の町内会や老人クラブを対象にコロナ流行前後の地域活動の変化などに関するアンケートを実施。その集計結果から、地域の見守り活動で個人情報の取り扱いを懸念したり、8割近くの団体がコロナ前と比べて活動を減らしたりしていたことが分かったという。
今回製作した「地域の見守り活動 ホッとガイドブック集」はA4判37ページ、オールカラー。「どんな人が必要としているのか」「見守り活動の担い手と役割」などテーマごとに解説しており、コロナ禍でも活動を継続している地域団体の事例も取り上げている。
見守り活動は、少子高齢化や核家族化、若者の地方離れなどを背景に増加している1人暮らしの高齢者の孤独死や社会的孤立を防ぐ上で重要な役割を持つ。今年はコロナ禍による外出自粛で交流機会が減り、自宅に閉じこもる高齢者も増えていることから、その必要性が強く指摘されている。
同社協の担当者は「住民同士がつながりを深め、地域全体で見守り活動に取り組むことが大切」とし、「特別なことではなく、周囲の必要な人に目を配るだけでもいい。活動に関する疑問や相談はいつでも受け付けている」と話している。
問い合わせは市社会福祉協議会地域福祉課地域福祉第1係生活支援コーディネーター 電話0144(32)7111。