道は24日午後に新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、国の観光支援策「Go To トラベル」事業について、札幌市での一時停止を政府に正式に申し入れた。これを受け政府は、札幌市で同事業を同日から12月15日まで3週間停止することを決めた。鈴木直道知事は「大変苦しい判断だが、一時停止はやむを得ないものと判断した。利用者や事業者に甚大な影響が生じることから、国の責任において万全の支援をお願いしたい」と要請した。
対策本部会議で、道は新規感染者が16日連続で100人超えとなる札幌市の感染状況について、医療提供体制への負荷の状況などを踏まえ、国が4段階で設定する「ステージ3(感染急増期)に相当する」と判断した。政府の分科会が「ステージ3」相当の地域について、「Go To トラベル」から除外することの検討を求めていた。道が独自に5段階で設定している「警戒ステージ4」の基準も、7指標のうち四つの指標が上回っている。
知事は「トラベル」の見直しについて「利用者や事業者の混乱が招くことのないよう、引き続き丁寧な説明と対応を国に実施してほしい」と述べた。
また、知事は飲食業支援の「Go To イート」やイベント支援の「Go To イベント」についても「札幌市と情報共有を図りながら、対応について速やかに検討してほしい」と述べ、札幌市での事業を見直す方針も示唆した。
道独自の観光支援策「どうみん割」についても同日開いた道議会食と観光対策特別委員会で、観光局参事が「一時停止する『Go To トラベル』に準じて適切に対応したい」と述べ、見直す方針を明らかにした。
27日までの「集中対策期間」における札幌・ススキノ地区の飲食店での営業時間短縮要請について、知事は「札幌市の厳しい感染状況を踏まえ、28日以降の対策について速やかに検討してほしい」と本部員に指示した。
道では26日夕に再び感染症対策本部会議を開いた後、知事が記者会見し、28日以降の対策を発表する。