道と札幌市などは19日、新型コロナウイルスの感染者が新たに267人確認され、7人が死亡したと発表した。日別の新規感染者としては12日の236人を上回り、過去最多を更新した。このうち約半数の134人の感染経路を追えていない。感染者の200人超えは今月に入り7回目。3桁台は15日連続となった。同じく過去最多の197人(再陽性1人含む)の感染を確認した札幌市の山口亮感染症担当部長は、同日の記者会見で「もうどの世代、どこの施設ではなく、市中感染が背景にある。大きな流行の波が起こっている」と危機感を訴えた。
道は80代の男女2人(いずれも居住地非公表)、札幌市は50~90代男女4人、旭川市は年代・性別非公表1人の死亡を確認。道内の死者は11月だけで31人に上り、累計で141人になった。
道は計43人の感染を確認。内訳は白老町の男性公務員(年代非公表)1人を含む胆振管内5人のほか、石狩管内14人、空知管内7人、十勝管内6人、釧路管内4人、上川、オホーツク両管内各2人、留萌、宗谷両管内各1人、神奈川県居住1人。クラスター(感染者集団)が形成されている江別市の北海道消防学校では新たに1人の陽性が判明して計7人、滝川市の滝川中央病院でも新たに1人の感染が分かり、計22人となった。
札幌市は、札幌出入国在留管理局(勤務する13人感染)、市内のIT関連会社(従業員7人感染)、医療機関(従業員と入院患者13人感染)、グループホーム(入居者と従業員8人感染)の計4カ所で新たにクラスターが発生したと発表。104人が感染し道内最大のクラスターとなっている特別養護老人ホーム「ドリームハウス」(南区)では、入所者2人の死亡が初めて確認された。
旭川市は9人、函館市は14人、小樽市は4人の感染をそれぞれ発表した。
道内の感染者は延べ6380人(実人数6356人)となった。うち治療を終えて回復したのは4246人。現在の患者数は1993人で、重症は17人。直近1週間(13~19日)の新規感染者数は1560人、18日時点の入院患者の病床利用数は705床で、いずれも道が定める「警戒ステージ4」(新規感染者数796人、病床利用数350床)の基準を大きく上回った。
軽症者向けの宿泊療養施設は18日時点で710人が入所し、入所日調整中で自宅待機は前日から24人増えて269人。札幌市の自宅療養者も2人増の259人となった。道では20日から札幌市内で3棟目の宿泊療養施設の運用を開始し、計1270人の受け入れが可能となるものの、綱渡り状態が続いている。