新型コロナウイルス感染拡大を防ごうと、道が17日に札幌市の警戒ステージを4に引き上げ、不要不急の往来自粛などを要請する中、苫小牧市内の企業も神経をとがらせている。従業員の感染予防徹底へ出張や業務に伴う往来にとどまらず、私的行動の抑制を求める動きもある。
苫小牧信用金庫は17日、職員に向けた十カ条を作成。感染拡大地域との往来自粛や大人数の飲食をやめるなど、感染防止対策を改めて徹底させる内容で本店、支店など31施設の給湯室やトイレなどに張り紙して周知する。
I・TECソリューションズも、札幌市との往来を公私共に自粛するよう従業員に求める。出張もオンラインで済ませるなど対策を強化。一部で在宅勤務も実施しているが、同社経営管理本部は「感染状況によっては一層の対策強化も検討する」と説明する。
岩倉建設は17日から、札幌本社と東京支社で時間短縮勤務を実施。鈴木泰至社長は「通勤ラッシュを避け、感染防止を徹底している」と語る。春先から不要不急の出張を控えてきたが、警戒ステージ引き上げで意識をさらに強めている。
出光興産北海道製油所は春先から、所員に感染拡大地域との往来自粛を呼び掛けている。6~9月に作業員を道内外から動員する大規模な定期補修工事、シャットダウンメンテナンス(SDM)を展開したことが背景にある。同製油所は「SDM前から緊張感を持って対策を講じており、引き続き自粛を求める」と話す。
トヨタ自動車北海道も道が警戒ステージを「3」に引き上げた7日、不要不急の出張自粛などを社内で通知。業務上必要でも、平熱より1度以上高ければ中止する。私的行動についても「不特定多数が集まる場所での行動は慎重に判断を」などと個人の良識に委ねつつ、感染予防を促す。