新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないことを受け、道は17日午後に感染症対策本部会議を開き、独自に定める「警戒ステージ3」を札幌市限定で「4相当」に引き上げることを決めた。これに伴い、札幌市民には「不要不急の外出を控える」ことを求め、道民には「札幌市との不要不急の往来をしない」ことを要請。いずれも「感染リスクを回避できない場合」の条件を付けた。期間は17~27日の11日間。記者会見した鈴木直道知事は「札幌で見えない感染の連鎖が起こり、全道に広がっている。11月中に何とか感染拡大を抑え込みたい」と道民や事業者に協力を求めた。
クラスター(感染者集団)が続発し、新規感染者が9日連続で100人を超す札幌について、知事は「重症化しやすい高齢者の患者が急増し、医療機関での集団感染も発生しており、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)の度合いが急速に増している」と窮状を訴えた。
札幌との往来自粛などで条件を付けた「感染リスクを回避できない場合」の主な例として、(1)新北海道スタイルを実践していない施設などの利用(2)密閉された室内で、人との距離が十分に保たれない長時間の会合(3)飲食の場面で、5人以上の集まり、マスクをしない大声での会話、2時間を超える長時間の飲食―などを挙げた。
知事は「10月23日の国の分科会で示された『五つの場面』を参考に、感染リスクを回避できない例を整理した」と説明。道民には「外出の際に、リスクを回避できるのかどうか、慎重に確認していただきたい」と呼び掛けた。
また、国がコロナで打撃を受ける飲食店を支援する「Go To イート」事業の感染防止対策も発表。利用者には▽5人以上の大人数で利用をしない▽2時間を超える長時間の飲食をしない▽食事は静かに、会話はマスク着用▽コロナ通知システムの活用―を求め、事業者には「新北海道スタイルや業界ガイドラインの実践と利用者への声掛けの徹底」を要請。「受託団体の道商連(北海道商工会議所連合会)とも連携し、取り組みを進めていきたい」と説明した。
国の観光支援策「Go To トラベル」事業に関しては「感染リスクを回避できない場合は当然、旅行を控えていただく」と強調しながらも、事業自体は継続する姿勢を改めて表明。ただ、「新しい旅のエチケットをしっかり守るなど、感染防止対策をより強化していくことは必要」と指摘し、国へ強く要請する姿勢を示した。