道や札幌市などは11日、新型コロナウイルスの感染者が新たに197人確認されたと発表した。9日の200人に次ぐ過去2番目の多さで、日別の新規感染者が100人を超えるのは7日連続。このうち81人の感染経路が不明で札幌市は80代男性1人、旭川市は年代・性別非公表2人の計3人の死亡を確認した。胆振管内の感染者は100人を突破し、105人となった。道内の感染者は延べ4584人(実人数4561人)。
道は計47人の感染を確認した。内訳は胆振管内の7人(40~70代男女3人と年代非公表男女2人、年代・性別非公表2人)のほか、石狩管内21人(千歳市2人、恵庭市1人など)、十勝管内13人、空知管内4人、桧山とオホーツク両管内が各1人。
胆振管内で今月に確認された感染者は11日までに37人とすでに先月1カ月間の36人を上回っている。
イオンモール苫小牧は10日に飲食店「札幌らーめんみそ源」の従業員1人が検査の結果、陽性が判明したと発表した。従業員の最終出勤日は6日で、濃厚接触者はいなかったという。10日の営業終了後に消毒作業をし、通常営業している。
北見市の接待を伴う飲食店で新たなクラスター(感染者集団)が発生し、11日までに30~60代の7人の陽性が判明。この他、クラスターは岩見沢市の北海道中央労災病院で感染者が2人増えて13人、同じく帯広市の接待を伴う飲食店「エスコートラウンジ・グランデ」でも3人増えて13人になった。
札幌市は、10~80代男女と年代・性別非公表の計138人の感染を確認。ススキノ地区の酒類を提供する飲食店で20~40代の従業員6人の陽性が判明し、市は新たなクラスターに認定した。市内の特別養護老人ホーム(施設名非公表)でもクラスターが起き、40~80代の5人(入居者4人、従業員1人)が感染。道内のクラスターは累計で100件と3桁台に乗った。
旭川市は計6人の感染を確認。クラスターが発生している慶友会吉田病院では新たに3人の感染が分かり、計30人に。函館市でも1人、小樽市では5人の感染を発表した。
道内で治療を終えて回復したのは3176人。11日現在の患者数は1288人(入院患者と宿泊療養者の区分は集計中)となり、重症は1人増えて12人。死者も3人増えて累計120人となった。
新規感染者の急増に伴い、医療提供体制の負荷の度合いは一段と増している。札幌市は11日、無症状・軽症者の一部感染者に対して「自宅療養」を開始する方針を発表。現在、札幌市内に設置されている宿泊療養施設「アパホテル&リゾート札幌」(南区、670人程度受け入れ可能)は、満室に近づいている。10日時点で508人が入所し、158人が入所日調整で自宅待機中。さらに市はこれとは別に、60人に対して「自宅療養」の調整を進めている。
入院患者の病床利用数も10日時点で434床と、5月7日の383床を超えて過去最多。「警戒ステージ4」の基準(350床)を大幅に上回っている。直近1週間のPCR検査の陽性率も11日時点で10・3%と2桁台に上昇。「ステージ4」の基準(10%)を超えた。道が定める7指標中五つの指標で基準を超過した。