新型コロナウイルスの流行に伴い、苫小牧市内の小学校で学芸会や学習発表会が様変わりしている。一部の学校では恒例行事だった演劇や合唱といった発表行事を自粛し、楽器演奏などを動画で撮影して配信している。校内では作品展示の観覧にとどめるなど、学校で児童の様子を伝えつつ感染症対策と両立させる工夫も。児童の励みとなり、保護者にも喜んでもらえるよう奮闘している。(高野玲央奈)
学芸会と学習発表会は児童が学習や活動の成果を披露する機会で、例年2学期に実施している。今年は各校ともコロナ禍で発表方法や保護者の観覧方法について見直しを余儀なくされたが、児童が発表する意義は変わらないとして代替策を講じている。
豊川小学校(石川一美校長)は今年の発表会について、インターネットの動画投稿サイトを活用し、事前に撮影した映像を保護者限定で11月下旬から1カ月間公開する。演奏やダンスが中心だが、1年生は入学後の授業の様子が分かるよう、教科書を音読する姿も見せる予定だ。
教員らはタブレット端末を使い、試行錯誤しながら映像づくりを進める。画像がぶれないようスタンドに固定した状態で台車に乗せ、移動しながら映像の角度を調整。児童の表情が分かるようクラスごとに撮影するなど工夫も重ねている。
教務主任の栗山典嵩教諭(38)は感染症対策で活動に制限がある中でも「子どもたちに発表の機会や取り組みを達成する充実さを感じてほしい」と期待する。
4日には5年生約50人がよさこいソーランを踊る様子を動画で収録した。児童らはマスクを着用し、飛沫(ひまつ)が出ないよう掛け声は控えた。山崎奨弥君(10)は「お互いの距離に気を付けながら練習するのは大変だったけど、見てもらえるのはうれしい」と満足そう。松橋里桜さん(11)も「他の学年の演目が見られないのは残念だけど、放課後も練習して頑張った」と公開を心待ちにする。
清水小学校(堀田稔校長)は2日から、図工や総合的な学習などで手掛けた作品を校内に展示し、保護者に見てもらう「文化作品展」を始めた。6年生の教室前の壁には、8月に行われた修学旅行のまとめや書写、絵画など約10種類が並ぶ。
来校する保護者には「北海道コロナ通知システム」の登録を呼び掛け。コロナ対策を徹底しながらの取り組みに堀田校長は「協力して一つの物をつくり上げる子どもたちの姿を通じて学校への理解も深まれば」と話している。