道と札幌市、旭川市は9日、新型コロナウイルスの感染者が新たに200人確認されたと発表した。7日の187人を上回り、過去最多を更新。日別で100人以上となるのは5日連続で、200人台は初めて。このうち70人の感染経路が不明。旭川市では1人(年代・性別非公表)の死亡を確認した。道では独自に設定する5段階の「警戒ステージ」を7日に「3」へ引き上げたものの感染拡大が止まらず、既に「ステージ4」へ移行する目安の7指標のうち4指標で基準を超えた。9日時点の無症状・軽症を含めた患者数は1094人と初めて千人を突破した。
道は、計41人の感染を確認。内訳は胆振管内1人(80代女性)、日高管内1人(年代・性別非公表)のほか、石狩管内17人(千歳市2人など)、空知管内9人、後志管内1人、渡島管内2人、オホーツク管内4人、十勝管内5人、釧路管内1人。帯広市の接待を伴う飲食店「エスコートラウンジ・グランデ」では従業員8人が感染し、クラスター(感染者集団)と認定された。さらにクラスターが形成されている陸上自衛隊東千歳駐屯地(千歳市)では新たに20代男性自衛官の陽性が判明し、計7人に。同じくクラスターが発生している江別市の飲食店では感染者が4人増えて計15人、滝川市の滝川中央病院では4人増の計9人、岩見沢市の北海道中央労災病院でも4人増の計11人となった。
札幌市は、10歳未満~90代男女158人の感染を確認し、過去最多に。市内の飲食店(従業員8人感染)と認可外保育施設(職員7人、園児5人の計12人感染)の2カ所で、新たなクラスターが発生。道内のクラスターは累計で93件となった。
旭川市は、20代女性公務員の感染を発表した。
道内の感染者は延べ4221人(実人数4198人)。うち3012人が治療を終えて回復。重症は11人で、死者は115人になった。
新規感染者の急増に伴い、道では集計遅れを理由に、9日時点の入院患者の病床利用数と軽症者向けの宿泊療養施設の入所者数の公表を見送った。8日時点の病床利用数は376床で、ここからさらに増えて5月7日(383床)を上回り過去最多となるのは確実。札幌市内に1カ所設置している宿泊療養施設(定員670人)の入所者も8日時点で453人となり、ほぼ満室が近づいている。入室準備が整わずに自宅待機となっている患者は147人(8日時点)に上っている。
9日夜に記者会見した道の広島孝保健福祉部技監は「宿泊療養施設では入居者のプライバシーに配慮し、退所と入所時間を区別して対応している。1日の入・退所人数にも限りがあり、入所まで自宅待機してもらっている人が増加している」と説明。道では新たに札幌市内に1カ所、宿泊療養施設を増設する方針で、「札幌市と最終的な調整を進めている」と述べた。
また、入院患者の急増を受け、道では新型コロナの専用病床を道央圏で183床増の541床、道北圏で111床増の172床に増床することを決め、関係医療機関に要請したことも明らかにした。