新型コロナウイルスの感染者が道内で急増していることを受け、道は7日午後にも警戒ステージを「2」から「3」に引き上げる。苫小牧市民からは「感染リスクを避けるため外出を控えたい」などの声が上がり、飲食店は戻りつつあった客足が再び落ち込むことを懸念している。
市民の受け止めはさまざまで、「食料を調達し散歩以外の外出は控えたい」と警戒感を強めるのは高校講師を務めるしらかば町の岩瀬義一さん(87)。双葉町に住む会社員の田渕慎也さん(37)は「率直に怖い。今まで通りマスクや手洗い、小まめな換気などを続けたい」とし、ウトナイ北の会社員小早川哲也さん(47)は「感染者が増える中で経路不明や非公表の発表が多い」と情報不足や市中感染の広がりを不安視する。
市内本町の業務スーパー苫小牧店は前回の外出自粛時に巣ごもり需要で混み合い、入店を制限する場面もあったとし「今回も外出を自粛する人が増えれば混雑しそう」と担当者は話す。
苫小牧市教育委員会は、教育活動や部活動は基本継続する意向だが、密を招きやすい一部の授業は「一時休止の検討が必要」(指導室)としている。
主要な観光施設は警戒感の広がりで出控えが進み、客足は落ち込むと予測する。市内港町の海の駅ぷらっとみなと市場の山本英誠代表理事は「仕方ない」とし、道の駅ウトナイ湖やノーザンホースパークの担当者は「消毒やマスク着用などを基本に普段以上の配慮をしていく」と語る。
飲食店関連は客足の落ち込みが収入に大きく響くが、市内元中野町で「Cafe de のり」を経営する常盤のり子さん(71)は「最近はコロナに対して気が緩んでいる印象があった。今こそ対策を徹底すべき」とし、豊川町で花と喫茶の店「お月さまのたね」を営む南俊子さんは「お客さんが減ったら営業時間の短縮を考える」と言う。
遊技場も対応は同じで、本町の中央ボウルの中村裕信代表は「最大限の感染予防対策を進め、全従業員でインフルエンザワクチンも接種した」といい、「体を動かすなど気晴らしも必要」と来場に備える。
高齢者世帯などを見守る民生委員児童委員は現在、コロナ禍で訪問面談を自粛中。電話やメールで連絡を取り合うが、同協議会の保田勝副会長は「警戒ステージ引き上げを不安に感じる人が増えそう」とし、各委員と連携しながら「寄り添う取り組みを大切にしたい」と話している。