道と札幌市、小樽市、旭川市は2日、新型コロナウイルスの感染者が新たに96人確認されたと発表した。1日当たりの新規感染者としては10月31日の81人を上回り、2日ぶりに過去最多を更新し、100人台に迫った。このうち6割以上の57人の感染経路が不明。道では10月28日に警戒ステージを「1」から「2」に引き上げたものの、感染拡大に歯止めがかからない状態が続いている。
道は苫小牧市の10代男子高校生1人と胆振管内の年代・性別非公表3人、千歳市の20代男性自衛官4人、恵庭市の40代女性会社員と30代男性会社員、石狩管内の50代女性の計11人の感染を確認。4人の自衛官は千歳市の陸上自衛隊東千歳駐屯地に所属。同駐屯地では2日までに計6人の感染が判明し、道では道内74例目のクラスター(感染者集団)と認定。同駐屯地としては2度目のクラスター(1度目は10月23日に終息)となった。道によると38人のPCR検査を実施済みで、「近日中にあと22人を検査する」としている。
同じくクラスターが形成されている苫小牧工業高校でも新たに生徒1人の陽性が判明し、計12人(全員生徒)となった。
1日までに濃厚接触者29人を含めた教員、生徒計323人に検査を行った結果、感染した生徒12人以外は、いずれも陰性だったという。
札幌市は、10~70代男女63人と年代非公表男女3人、年代・性別非公表17人の過去最多となる計83人の感染を確認。ススキノ地区の接待を伴う飲食店関連は1店、17人増えて計95店、367人となった。札幌医大付属病院では2日、4人(職員2人、入退院患者2人)の陽性が判明したと発表した。
小樽市は、小樽市立病院の60代男性事務職員の感染を確認。旭川市は、30代男性会社員の感染を発表した。
道内の感染者は延べ3301人(実人数3278人)。うち2646人が治療を終えて回復。現在の患者数は545人で、重症は5人。110人が死亡している。医療機関の入院患者の病床利用数は198床(警戒ステージ3へ移行の指標は250床)となり、軽症者向けの宿泊療養施設には347人が入所している。
道の広島孝保健福祉部技監は2日の記者会見で感染拡大が急速に広がる現状について「非常に危機感を持っている。発熱やせきなど体調が悪い場合は外出を控えてほしい」と道民に協力を呼び掛ける一方、「宿泊療養施設を増やすことも検討していかなければならない」との認識を示した。