鈴木直道知事は28日午前、新型コロナウイルス感染症対策本部会議と臨時記者会見を道庁で相次いで開き、道が設定している「警戒ステージ1」を「ステージ2」へ引き上げると発表した。新規感染者が急増し、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)する恐れが生じているための措置。今後2週間(28日~11月10日)を集中対策期間とし、道民に「飲酒を伴う場面など感染リスクを回避する行動の実践」などの協力を要請した。
ステージ1では「新北海道スタイルの実践・徹底の注意喚起」を中心とする協力を呼び掛けてきた。28日から移行したステージ2は特措法に基づく措置となり、▽発熱やせきがあるなど体調が悪い場合に外出を控える▽飲酒を伴う場面などにおける感染リスクを回避する行動の実践。特に札幌市内での徹底▽高齢者、基礎疾患がある人と接する場合の慎重な行動の実践▽テレワークの推進や時差出勤のさらなる活用▽接触確認アプリのさらなる活用―を道民に要請。また、道は感染者の増加を見越した相談・診療検査体制の整備にも取り組む。
道内では日別の感染者が20日以降、8日連続20人以上となるなど感染が急拡大。警戒ステージを最も低い1から2へ引き上げる判断材料として(1)病床全体(150床)(2)重症用病床(15床)(3)療養者数(増加)(4)PCR検査陽性率(増加)(5)新規感染者数(直近1週間で107人)(6)直近1週間と先週1週間の新規感染者数の比較(増加)(7)感染経路不明割合(50%)―の7指標を掲げていたが、27日現在で(2)と(7)を除き、5指標で基準を上回った。
知事は「専門家の意見も聴き総合的に勘案し、ステージ2へ移行することを決めた」と説明。「社会経済活動への影響を最小限に抑えながら、この段階で対策を徹底したい」と述べ、感染拡大防止と社会経済活動の両立を進めるための「重要なステージ」であることを強調した。