鈴木直道知事は23日の定例会見で、道内で新型コロナウイルスの日別の感染者が過去最多の51人確認されたことを受け、「秋元克広札幌市長とも現下の厳しい状況について認識を共有した」と強調。札幌市とも連携し「前倒しできるものは、前倒しして実施していく」と述べ、新たな感染防止対策に取り組む姿勢を示した。
知事は「札幌市ではPCR検査センターの増設や専門家による新たな対策会議の設置など検査体制の強化に取り組む」と説明。道では感染リスクを高めやすい場面の注意喚起を促す啓発チラシを10万枚作成し、「全道の市町村に本日、発送した」と述べた。
道は警戒ステージを1~5の5段階を設定しているが、現在は最も低い「ステージ1」。引き上げの判断材料としては7指標を設けており、23日時点で新規感染者など4指標が基準を上回り、病床数、重症者数、感染経路不明率の3指標は基準を下回っている。
道内では9月のシルバーウイーク以降、感染拡大の「第3波」とも呼べる波が押し寄せている。知事は直近1週間(16~22日)の数字を示して、新規感染者の年代別で約7割を30代以下が占め、地域別では札幌市以外が約4割に上っていることを説明。「感染者は若い世代が多く、全道的な広がりを見せている」と語った。シルバーウイーク以降、▽繁華街の飲食店9件▽学校2件▽事業所5件▽福祉施設4件―と計20件のクラスター(感染者集団)が発生していることも指摘。「札幌以外の空知、胆振、日高、釧路管内でも集団感染が短期間で発生している」と警鐘を鳴らした。
道民や事業所に対しては▽飲酒を伴う場面▽仕事後や休憩時間▽集団生活―など感染リスクを高めやすい場面を挙げ、「基本的な感染防止対策を常に意識して行動してほしい」と呼び掛けた。