新ひだか町の静内高校で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したことなどを受け、日高振興局は21日、感染者や濃厚接触者らに対する中傷や差別をやめるよう訴える注意喚起を始めた。振興局が独自に差別防止に向けた取り組みをするのは全道初。ホームページ(HP)に「日高管内の皆様へのお願い」と題する呼び掛けを掲載し、「(感染者や濃厚接触者らへの)いじめ・差別はやめよう」「正しく(病気を)理解し、思いやりある行動を」とのメッセージを伝えている。
注意喚起は、日高振興局長と管内7町長、浦河・静内両保健所長の連名。同高や保健所に中傷を心配する保護者の声が寄せられたことなどから、取り組みを決めた。各町・保健所でも振興局のHPを活用する。
呼び掛け文は「新型コロナウイルス感染症は誰もが感染する可能性があり、感染した人が悪いわけではない」と訴え、感染を責める雰囲気が広がると具合が悪くても言いだしにくくなり、むしろ感染拡大の可能性を高めてしまうことを指摘。さらに、感染者への思いやりを持って「自宅や職場、学校に戻った際は温かく迎えて」と協力を求めている。
一方、胆振総合振興局は21日まで予定していた新型コロナウイルス感染拡大防止のための「新北海道スタイル」の実践、徹底への協力呼び掛け期間を、当面の間、延長すると発表した。冬に向けて懸念が広がるインフルエンザの同時流行にも警戒を強めており、期間の終了時期は未定としている。