新型コロナウイルスの感染者が9月の4連休(19~22日)以降、胆振管内でも急増している。19日までの約1カ月間の感染者は24人で、クラスター(感染者集団)も2件発生した。苫小牧保健所は全道的な傾向として「若い世代の感染が増えている」と指摘。「リスクを意識した行動と感染防止対策の徹底を」と呼び掛けている。
胆振管内で初めて感染が確認された2月22日以降の管内の感染者数は、19日時点で計51人になった。9月の4連休以降の約1カ月間で半数近い24人が感染。2月から8月までは各月、感染者が10人を超えることはなかったが、4連休以降は全道的な傾向に歩調を合わせるように、管内でも感染が広がった。
特に10月は8日、14日に事業所でクラスターがそれぞれ発生したこともあり、1週間当たり8~9人で推移。9月後半の同3~5人から倍増した。ただ、道はクラスター2件は認定した時点で、濃厚接触者のPCR検査を終えるなど感染拡大防止策が講じられており、「事業所外に広がる可能性は低い」とする。10月17~19日は3日連続、管内の感染者はゼロだった。
苫小牧保健所の担当者は「全道的な傾向」と前置きしつつ「若い世代の感染が増えている」と指摘。最近は国が観光支援事業「Go Toトラベル」キャンペーンなどで経済を動かそうとする中、行動的な若い世代で流行が目立っており、「『自分はかからない』と油断されているのであれば心配」と話す。
今後はインフルエンザとの同時流行、重症者の増加も懸念されるだけに、「自らできる対策を徹底してほしい」と強調。過去の道内クラスター事例などを踏まえ、「コロナも、インフルも飛沫(ひまつ)で感染する。長時間の会話や飲食、歌唱などはリスクが高い」と説く。改めて3密(密閉、密集、密接)回避をはじめとする新北海道スタイルの徹底、スマートフォン向けアプリ「COCOA(ココア)」の活用などを呼び掛けている。