道と札幌市は16日、新たに31人の新型コロナウイルスの感染を確認したと発表した。このうち、クラスター(感染者集団)が発生している新ひだか町の静内高校(生徒470人)では、生徒12人の陽性が判明。静内保健所によると、これまでに同校で感染が確認されている20人はすべて生徒。16日までに生徒や教職員、その家族ら濃厚接触者289人の検査を実施済みで、残る100人強についても17日までに検査を終える見通しだ。
16日に確認された全道の感染者31人のうち、10人の感染経路は不明。すでに感染が報告されていた札幌市の90代男性は死亡した。道内の感染者は延べ2491人(実人数2469人)となった。
道は胆振管内の10代の性別・職業非公表1人、日高管内の10代男女12人、空知管内の70代男性と年代非公表の男性、後志管内の60~70代男性3人、釧路管内の50代男性の計19人の感染を発表した。
日高管内の感染者はいずれも静内高の生徒で、同校のクラスターは20人まで拡大したが、重症者はいないとみられる。
同校の感染者は特定の学級や部活などに集中しておらず、静内保健所は「まだ傾向や全体像が見えていない」と話す。
同校は、12日に1人目の生徒の陽性を確認。13日から臨時休校し、生徒たちには外出を控えるよう求めている。
同保健所は、検体採取や調査に対応するため、全道の保健所などから保健師ら約10人の応援派遣を受けている。
また、北海道電力は同日、子会社の北海道パワーエンジニアリングの胆振管内の事業所に勤務する社員1人の感染を発表した。
札幌市は、20~70代の男女7人と年代・性別非公表3人、年代非公表の男女2人の計12人の感染を確認した。同市では、国勢調査員の70代男性の陽性も判明。市によると男性は9日の発熱後に督促チラシの投函(とうかん)も行っていたが、調査対象者との接触はないという。ススキノ地区の接待を伴う飲食店関連の感染者は4人増えて、計61店舗、207人となった。
道内で治療を終えて回復したのは2184人。現在の患者数は199人で、重症は1人。108人が死亡している。軽症者向けの宿泊療養施設には94人が入所中。