苫小牧消費者協会が市民を対象に実施した新型コロナウイルスに係るアンケート調査で、回答者の約8割が自粛期間中に感染への不安を感じ、外出機会や外出時間を減らしていたことが分かった。一時品薄になったマスクは半数が備蓄しており、手作りや洗って再利用をする人もいるなど各自で工夫しながら対応したとしている。
アンケート調査は今年7月15日から1カ月間、協会だよりなどを通じて協力を呼び掛け、222人(男性54人、女性164人、不明4人)から回答を得た。年代別では60~70代が5割、40~50代が3割、30代が1割など。設問は自粛期間中の生活状況など全14問。
外出自粛期間中に感じた不安に関する質問では、全体の79%が「新型コロナウイルス(感染)」とし、「政府の対応」が45%、「健康問題」も35%に上った。食料品の買い物回数は「週1回」と「週2回」がいずれも36%で、店内の滞在時間も「30分以内」が75%を占めるなど、感染リスクを減らすため外出機会を減らし、短時間で買い物を済ませる傾向が見られた。
買い物以外の外出機会は「仕事」が51%で、次いで「散歩」41%、「理美容室」27%、「友人・親族宅」24%などの順。マスクの入手状況では「備蓄していた」が52%で最も多く、「手作り」が34%、「洗って再利用」が33%だった。同協会は「過去に経験したSARS(重症急性呼吸器症候群)感染症などを踏まえ、備蓄していた人が多かった」と分析している。
自粛期間中の過ごし方では、「テレビ鑑賞」が30件で最多。次いで「家の片付け」が26件など。ピアノや手芸などの趣味、体操のほか、資格取得に向けて勉強するなど上手に活用した人もいた。
政府が緊急経済対策として実施した特別定額給付金(10万円)の使途については「生活費」が35%、「生活費以外」も32%で全体の約7割は使った一方、27%は「貯金」と回答した。
自粛解除後の旅行については、全体の51%が「まだ考えられない」としており、感染への不安が依然として大きいことも分かった。
滝本晴美副会長は、自粛期間中の市民生活の様子が把握できたとする一方、生活様式の変化で人と関わる機会が減っているとし、「高齢者にとっては難しい時代になる可能性がある」などと指摘している。