アイスホッケージャパンカップ・王子連勝スタート―4セットフル稼働

  • アイスホッケー, スポーツ, レッドイーグルス
  • 2020年10月12日
〔王子―横浜〕2戦目で3得点4アシストの活躍を見せた王子の中島=11日、白鳥王子アイスアリーナ
〔王子―横浜〕2戦目で3得点4アシストの活躍を見せた王子の中島=11日、白鳥王子アイスアリーナ
初陣で王子と熱戦を繰り広げたグリッツ=10日、白鳥王子アイスアリーナ
初陣で王子と熱戦を繰り広げたグリッツ=10日、白鳥王子アイスアリーナ

  アイスホッケーのアジアリーグ・ジャパンカップは10、11両日、苫小牧市と釧路市で開幕節4試合が行われた。王子イーグルスは横浜グリッツを本拠地白鳥王子アイスアリーナに迎え、攻守に圧倒し2戦全勝。栃木日光アイスバックスは、アウェーでひがし北海道クレインズに連勝した。

   王子は10日の1戦目を8―1で快勝すると、続く11日には所属3年目のFW小林、昨季アジアリーグ最多ポイント選手のFW中島らが得点を重ね、12―0と自力の差を見せつけた。

   今大会には東北フリーブレイズ含めた国内5チームが出場。来年3月までホーム&アウェーの8回戦総当たり(1チーム32試合)を繰り広げ、勝率によって順位を競う。王子は次戦、17、18両日に八戸市でフリーブレイズとのアウェー戦に臨む。

 11日

   ▽リーグ戦

  王子イーグルス12―0横浜グリッツ

   ▽得点者【王】小林(山田、山下)小林(大澤、中島)中屋敷(高橋、大澤)高橋(中島、橋本)三田村(大澤、山田)久慈(中島、橋場)中島(高橋、橋本)中屋敷(橋本、中島)越後(相木、柴田)大澤(芳賀、山田)中島(中屋敷、高橋)中島(高橋、橋本)▽GK【王】成澤、小野田【横】黒岩▽シュート数【王】56【横】15▽反則【王】2分【横】12分▽パワープレー得点【王】4【横】0▽キルプレー得点【王】1【横】0▽観客数 1001

  栃木日光アイスバックス3―0ひがし北海道クレインズ

 10日

  王子イーグルス8―1横浜グリッツ

   ▽得点者【王】久慈(山下、髙木)中屋敷(今、成澤)中屋敷(中島、ハリデー)百目木(大澤、三田村)相木(越後、柴田)芳賀(越後、三田村)柴田(越後)久慈(髙木、ハリデー)【横】平野(池田)▽GK【王】成澤【横】小野、黒岩▽シュート数【王】52【横】15▽反則【王】6分【横】8分▽パワープレー得点【王】0【横】0▽キルプレー得点【王】0【横】0▽観客数 1027

  栃木日光アイスバックス4―3ひがし北海道クレインズ

 ―王子、4セットフル稼働 横浜グリッツ寄せ付けず

   王子が開幕猛ダッシュを決めた。FW3人、DF2人で構成するセットを計4組フル稼働させて2試合計20点。出場したほぼ全員がポイントに絡んだ。2回戦を終えて菅原監督は「大差がついても気を緩めることなく、最後までいいプレーをしようとする姿勢が出ていた」と評価した。

   今大会に向け重点的に練習してきた「内側(ゴール近く)に人数をかけてプレーする」(監督)攻撃が奏功している。生じるカウンターのリスクも素早い攻守の切り替えでつぶした。11日にハットトリックを含む7ポイントと大車輪の活躍を見せたFW中島は「しっかり準備をしてきた成果。守りもゲームの中で修正できている」と手応えを口にした。

   新たに仲間入りした横浜から刺激も受けた。菅原監督は「最後まで一生懸命プレーしていたのがとても印象的だった」と言う。中島は「首都圏にまたトップチームができたのは、アイスホッケー界にとって大きな出来事。自分たちも改めて北海道で競技発展させないと」と気持ちを引き締めた。

   新型コロナ禍でも連日多くの競技ファンが会場に足を運び、感染症対策のため声援ではなく拍手などで選手たちの好プレーをたたえてくれた。「次はよりエキサイティングなプレーをして、ファンの方々に楽しんでもらいたい」と菅原監督。中島は次節の東北フリーブレイズとのアウェー戦に向け、「相手はホーム開幕で気合が入ってると思う。後手に回らないように先手先手でいきたい」と意気込んだ。

 ―横浜、2戦大敗も諦めず FW平野はチーム初ゴール

   今季からアジアリーグに参入した横浜グリッツが、チーム名の由来通り「やり抜く力」を発揮した。実力と歴史ある王子に2戦とも大差はつけられたが、GKを除いた出場プレーヤーはたった13人で一度も闘志を絶やさなかった。

   チーム初ゴールは日本人で最も北米プロリーグ(NHL)に近い位置にいる苫小牧出身のFW平野だった。10日の初戦で「絶対に決めるつもりだった」と角度のないところから技ありのシュートをねじ込んだ。

   「点差はついたけど、相手のスピードに徐々に対応できるようになっていた」と実戦を通じたチームの成長を代弁する。自身はNHL3部相当のイーストコーストホッケーリーグ(ECHL)に参加する12月下旬まで、期限付きでチームに在籍する。「グリッツは日本でアイスホッケーをメジャーにするために必要不可欠な存在。自分もそのきっかけになりたい」と意気込む。

   2戦をベンチ横から見守った苫小牧東高校出身の臼井代表は「ようやくスタートラインに立つことができた」と話す。仕事と競技を両立させるデュアルキャリアを掲げ参入した新進気鋭のチーム。11月には元NHL選手のケネディヘッドコーチをはじめ外国人2選手も合流予定で、「今後は結果を残していく必要がある。常に勝利を目指していきたい」と力強く語った。

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