今季のアイスホッケー・アジアリーグは新型コロナウイルスの影響で中止となり、代わって国内5チームによるジャパンカップが10日開幕。話題を集めそうなのが、北米リーグ(NHL)を目指す平野裕志朗(25)=白樺学園高卒、苫小牧出身=と寺尾勇利(25)=駒大苫小牧高卒、日光出身=の両FW。北米で3部相当のECHLが12月に開幕するまでの間、実戦機会を得るため平野が横浜グリッツ、寺尾が栃木日光に期限付きで加入した。
日本代表でも主力の平野は、2018年からECHLのネイラーズでプレーし、2部相当AHLでの出場経験も。日本選手ではNHLに最も近い存在だ。グリッツ加入について「横浜にチームができて、いいきっかけをつくってくれた。競技を知らない人にも知ってもらえるように」と意気込む。
寺尾は昨年栃木日光を退団して渡米。ECHLのグリズリーズで61試合に出場し18ゴール、22アシストと奮闘し、現地で「マジシャン(魔法使い)」の異名もついた。「北米で学んだプレーをいかに見せられるか。パックを落ち着かせて流れを引き寄せる持ち味を見せたい」
9月26日に横浜で行われたプレシーズンマッチで、2人は加入後初めて観客の入った試合に臨んだ。平野は時折決定的なパスを送り、コミュニケーションも積極的。「年下だが試合には慣れている。チームを引っ張らないと」。浅沼芳征監督は「リンクに乗る前からもリーダーシップを発揮していた」と評価を与える。
慣れ親しんだ古巣復帰の寺尾も巧みな技術を披露。「知人も来て頑張ろうと思った。自分は行動で示したいタイプ。余計なことは言わない」とマイペースで臨む。性格のタイプも異なる同い年のライバル。2カ月間で存在感を示しそうだ。