苫小牧市は7日、苫小牧市町内会連合会が新型コロナウイルスの流行下における活動指針を作成したことを明らかにした。感染拡大防止と地域活動のバランスを取る上で一定の指標となるもので、同連合会は今後、各町内会とも地域活動の維持に向けた情報共有を進めていく方針だ。
同日の市議会定例会で、宇多春美氏(新緑)と松尾省勝氏(民主クラブ)の一般質問に対する答弁。
同連合会が各町内会に実施した緊急アンケートで、コロナ禍での活動に苦慮している実態が判明。道が掲げる「新北海道スタイル」に基づき、地域活動について、手指の消毒や手洗い、3密(密閉、密集、密接)を避けるなどの対策を前提に、具体的な内容を示して8月18日付で各町内会に伝えた。
主な留意点として、▽総会や会議は書面開催を検討▽集まる場合は最小限の人数にとどめる▽清掃活動や花壇整備など作業時はできるだけ2メートル以上離れ、大声での会話も控える▽お祭りなど行事は受付表を準備し、参加者の把握に努める―などを明記。さらに、食事の調理員は必ずマスクと手袋を着用し、手袋は小まめに交換。会場内で飲食できる場所を設けず、出店の行列も避けるため、整理券配布で対応することとしている。会費の集金も実施時期や方法を工夫し、回覧板もインターネット交流サイト(SNS)の活用を提案している。
これらの項目を事前確認できるようチェックリストも掲載。万が一、感染者が出た場合にも迅速に対応できるよう、本人同意を前提に参加者名簿を作成。活動日から1カ月間程度の保管も促している。同連合会は、各町内会からも新しい地域活動の事例やアイデアを募り、情報共有を進める考え。
市民生活部の野見山慎一部長は町内会活動に制約がかかる現状に「住民の互助意識や活動参加の機運の消滅といった懸念がある」と強調。コロナ禍における活動支援について「地域活動の新スタイルを検討する機会と捉え、同連合会をはじめ、町内会とも積極的に情報交換したい」と話している。