新型コロナウイルスの感染防止対策で室内喚気に注目が集まり、網戸の買い替えや張り替え需要が急増している。近年は道内でもエアコンの普及が進むが、多くの機種は換気機能がないため、屋外から風を取り込もうと窓を開ける機会が増えているためだ。苫小牧市内でもメーカーやホームセンターなどに網の交換や新規購入の依頼が寄せられており、業者らが対応に追われている。
今年3月に全面オープンし、住宅リフォームなどを手掛けるNissho(日昭)苫小牧支店(新開町)は、5月中旬から網戸の張り替え注文が増えたという。6月のピーク時は担当社員2人が1日数十件の交換作業に対応。藤田靖司支店長は「登別や室蘭、白老からも依頼を受けた」と話す。
同社では、戸建てや集合住宅など約50種類の網戸製造を自社工場で対応しており、受注から窓の採寸、納品まで10日ほどでできるという。人気なのは手軽さが特徴のスライド式網戸(高さ130センチ、税別1万8000円)。8月中旬に入っても注文の多い日があったといい、交換や買い換え需要は続いているようだ。
コメリパワー苫小牧西店(明徳町)でも今夏、網戸の売り上げが前年同期比5割増と急伸した。依頼の多くはシニア世代からで、網の張り替え注文は前年の3倍。持ち込まれた網戸の張り替えにも対応しているといい、担当者は「網の目が細かい商品もある」とアピールする。
全国のサッシや網戸の製造メーカーなど160社が加盟する日本サッシ協会(東京)によると、例年は夏前に引き合いが強まる傾向にあるが、今年は新型コロナの影響で4~6月に増加。前年より売り上げが2割ほど増えた事業者も多いという。
同協会の照瀬太海(ふとみ)事務局長は「玄関に網戸設置を希望する人も多かったよう」といい、今後は需要が落ち着く見通しとしている。