苫小牧市は今年度、新型コロナウイルスをはじめとする感染症対策の観点から、市立中央図書館と公共施設内の図書コーナーに書籍消毒機を新増設する。また、カウンター担当者と利用者の接触を避けるため、中央図書館には自動貸出機も導入する。いずれも今秋以降の設置を計画している。

　書籍消毒機は図書に紫外線を照射して除菌したり、風を当ててほこりなどを除去したりする機能を持つ。中央図書館には現在、1回の作業で4冊まで対応する機械が設置されており、図書を借りた人が必要に応じて利用している。

　新型コロナが流行して以降、同設備の需要は全国的に高まっている。このことから市も感染防止対策の一環で中央図書館に同じタイプで6冊まで対応する消毒機を1台増設。さらに市内4カ所のコミュニティセンター、植苗ファミリーセンター、沼ノ端交流センター、勇払公民館、まちなか交流センター（ココトマ）―の計8カ所の図書コーナーへ、書籍表面を消毒するタイプの設備を1台ずつ設置することを決めた。

　さらに中央図書館では、自動貸出機も2台導入する。借りたい書籍のバーコードを利用者自身にスキャンしてもらう仕組みで、簡単な操作で貸し出し手続きが完了する。これによりカウンター担当者との接触は大幅に低減できるという。

　市によると、中央図書館や各図書コーナーではこれまでも返却図書の表面を布などで拭き取り、消毒する作業を実施。新型コロナの流行に伴い、市民がより安心して利用できる環境を整える必要があるとし、市の2020年度一般会計補正予算に各機器を整備する費用として総額約660万円を計上している。