富里浄水場が給水再開 1年11カ月ぶり復旧、正常化 厚真

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  • 2020年8月6日
復旧工事を完了し、運転を再開した富里浄水場
復旧工事を完了し、運転を再開した富里浄水場
2018年9月の発災直後(本社ドローンによる撮影)
2018年9月の発災直後(本社ドローンによる撮影)

  2018年9月に発生した胆振東部地震で甚大な被害を受けた、厚真町富里地区にある富里浄水場の復旧工事が完了し、震災から1年11カ月ぶりに運転を再開した。試験運転を7月中旬から実施し、31日以降は全町のおよそ2000戸へ配水。旧施設で運用していた同町の水道供給体制が正常化した。

   同浄水場は、効率的な水道事業運営と安定的な水源を確保するため、厚真川の上流に建設して18年8月に供用を開始した。しかし、わずか1カ月後に起きた地震によって裏山の大規模な土砂崩れにのまれ、配水池や電気・機械設備が損壊するなど甚大な被害を受けて機能を停止。浄水、配水、給水に関わる施設の復旧工事や土砂の撤去作業などに時間を要するため、この間、廃止となっていた新町浄水場を再稼働させて水を供給してきた。

   復旧工事は6月に完了。7月23日に一部世帯に給水を再開し、31日には全約2000戸に給水した。復旧に掛かった総事業費はおよそ5億円で、このうち国から3分の2の補助を受ける。新町浄水場は、富里浄水場の運転再開に伴い機能を停止している。

   町建設課によると、今年に入って新型コロナウイルス感染拡大により多少の資機材の搬入遅れなどがあったものの、担当者は「影響を最小限に避けることができて作業が進んだ」として安堵(あんど)の表情。「これで町内の給水機能が震災以前の状態に戻った」と話している。また、一部配水管の復旧工事についても今年度中の完了を予定している。

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