〈情報=ある物事について、人に伝えられる知らせ。文字や音、映像など、さまざまな手段で伝えられます〉。当世小学5年生の社会科教科書にある。
この中で、われわれ報道機関の仕事が「情報を伝える人々」として項目化され、児童が学習していることを最近知った。テレビ、ラジオ、インターネットに加えて新聞が「メディア」という言葉でまとめられている。新聞は、文字や写真で詳しく説明した情報を何回でも読み返すことができ、記事を切り抜いて保存することも可能―とする特徴が記されていた。
昨年秋にあった小学校社会科公開研究授業でたまたまゲスト講師を務めた際に知った。児童への授業は「くらしを支える情報」のテーマ。新聞編集について教諭に質問され、回答する形式で進んだ。
副教材は民報。本道ゆかりのロックスター、バンド「グレイ」が千歳で突然ライブを行った―との記事を載せた紙面に児童たちから「地域情報の量が多い」「写真が大きい」などと感想を頂いた。
「取材」の仕事は「人が人と出会って成り立つ。インターネットで読めたり、テレビ、ラジオから聞こえてきたりするニュースも同じ」。情報と結び付く喜怒哀楽を伝え、記録する役割が新聞社にきっとある。にわか講師の解説は通じたかどうか―。ともあれ、千歳桜木小の教室で出会った顔触れのきらきらした瞳は記者の所存を確かめさせてくれて忘れ難い。(谷)