胆振東部地震で被災した安平町の復興を支援する有志団体「一般社団法人安平町復興ボランティアセンター」がJR追分駅前にある空き店舗を利用して整備したコミュニティースペース「ENTRANCE(エントランス)」が16日オープンした。町内外から約100人が来場し、地域にできた新たな交流施設の開設を祝った。
エントランスは昨年の地震で被災した地域の再生を図ろうと、同センターが準備を進めてきた復興の拠点。日本語で「出入り口」「玄関」の意味を持っており、「未来への入り口」との願いが込められている。
建物は2階建てで、1階(床面積約300平方メートル)に同センターの事務局に加え、フリースペースやキッチンエリア、小上がりを整備。外壁の塗装や壁の補修、防寒対策のまきストーブ設置などにかかった費用約1100万円は、町の交付金とインターネットで資金を調達するクラウドファンディングで賄った。
この日は、オープニングに合わせて施設裏の駐車場で餅まきを行ったほか、限定のラーメンや雑煮などを提供。午後からはクラフト体験もあり、多くの子どもたちが工作を楽しんだ。追分中3年の鈴木康佑君(15)は「普段も、イベントの時も利用できる。まちなかで集まりやすいし、友達との待ち合わせや勉強で使いたい」と話していた。
同センターの西村次郎理事長は「昼食後のちょっとした時間や駅の待合など、いろんなことで利用してほしい。町のにぎわいにつながることを引き続き展開したい」とあいさつし、井内聖センター長は「できる人ができることをやる。町の皆さんと一緒ににぎわいを取り戻したい」と協力を呼び掛けた。
エントランスは平日午前9時から午後6時まで無料で開放。イベントや教室など貸し切りの場合は有料で事前の予約が必要となる。問い合わせは同センター 電話070(3139)0374。