「自分事として生きられた」 NHK BSドラマ「天城越え」主演 生田絵梨花

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  • 2025年6月3日
松本清張作品について「人間の美しい部分と泥くさい部分が両方描かれているのがすごく印象的でした」と語る生田絵梨花=東京都渋谷区

 松本清張作品について「人間の美しい部分と泥くさい部分が両方描かれているのがすごく印象的でした」と語る生田絵梨花=東京都渋谷区 松本清張の短編小説が原作のNHK・BS特集ドラマ「天城越え」(6月14日午後9時)で生田絵梨花が主演し、遊女の大塚ハナ役に挑んだ。当時の遊女の生活や時代背景などを調べて撮影に臨み、「自分もこの時代に生まれていたら同じような選択をしていたかもとか、自分だったらどう感じていただろうとか。自分事としてハナを生きることができた」と語る。

 時は昭和31(1956)年。静岡県で印刷業を営む望月次郎(萩原聖人)が回想する、31年前に14歳だった自分が心引かれた遊女との天城峠での出会いと、そこで起こった殺人事件を描く。

 ハナは伊豆・修善寺の遊郭にいた遊女。負けん気が強く、同僚や客とたびたびいさかいを起こすが、望月少年にとっては優しく、淡い恋心を抱いた女性。「きっと内側に純な部分を持っていて、でもそれを出せば握りつぶされる人生だった。少年といるときだけは純粋でいられたのかな」

 あらぬ殺人の容疑をかけられ、警察に連行されるハナに市民は石を投げ、やじを飛ばす。「遊女としてのイメージで、殺人事件が起こった時に『人殺し』と(決めつけて)思い切り攻撃される。真相は当事者にしか分からない。そういったことって、いつの時代も起こり得ることなんじゃないかと思う」と作品の普遍性を語る。

 ミュージカルなどの舞台やドラマに引っ張りだこだが、今作のように、衣装や所作などが時代劇に近い人物を演じるのは初めて。「日本人として、その時代のことを知れるってすごく面白いなと思いましたし、『和装が似合うね』って言っていただけたのがうれしくって。(時代劇は)また機会があればやりたい」と目を輝かせ、「(次に演じるなら)戦国時代の姫。馬に乗ってみたい。つらそうですけど、戦国時代の景色を見てみたい」と夢を語った。

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