4階級制覇の田中引退  ボクシング

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  • 2025年6月5日
記者会見で引退を表明するボクシングの田中恒成=4日午後、名古屋市中区

 プロボクシングで世界4階級制覇を果たした田中恒成(29)=畑中=が4日、名古屋市内で記者会見し、現役引退を表明した。右目の網膜剝離と診断されるなど両目に不安を抱え、今も視界がゆがむことを理由に挙げた。目標の5階級制覇はかなわなかったが、「一番は悔しいというより、ありがとう」と晴れやかな表情で語った。

 田中は昨年2月に世界ボクシング機構(WBO)スーパーフライ級王者となり、日本男子3人目の4階級制覇。21戦目での達成は史上最速となった。同10月に王座から陥落。以前から両目の手術を複数回受けており、「試合をすれば失明で、リングに上がる道がなくなった」と話した。

 田中は豊富な手数とスピードが持ち味。2013年にプロデビューし、15年5月にミニマム級で日本選手最速の5戦目で世界王者となった。印象深い試合は、20年にプロ初黒星を喫した井岡一翔戦。「ボクシングへの向き合い方や、人として変われるきっかけになった」と振り返った。

 今後もボクシング界に関わる意向。指導者には限定せず、「頑張れる仕事を探し、つくりたい」と将来を見据えた。

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