「不便」を事業アイデアに 日本政策金融公庫が出前授業 苫小牧高専

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  • 2025年6月11日
生活の中から新たなビジネスアイデアを考える学生たち

 苫小牧工業高等専門学校(長野克則校長)で10日、日本政策金融公庫によるビジネスプラン(事業計画書)作成の出前授業が行われた。2、3年生の約400人を対象とした初の取り組み。学生たちは日常の中で感じている不便や面倒に目を向け、それらが解消されるような新たな仕組み、商品について考えを巡らせた。

 AI・データサイエンスの知識や技術を、まちをよりよくするためのアイデアに生かす方法を考える授業の一環。授業は毎年行っているが、今年度は学生が作成したビジネスプランを同公庫主催の第13回高校生ビジネスプラン・グランプリへの応募につなげたい考えだ。

 授業は全4回で、この日が初回。講師を務めた同公庫北海道創業支援センター(札幌)の山崎公寿さんは昨年度、同グランプリに536校から5151件の応募があったことを紹介し、ビジネスプランを作る上で▽生活をより良くする▽世の中の仕組みをより良くする▽地域の課題を解決する―といったポイントを取り入れると、スムーズに計画を構築できると説いた。

 これらの学びを生かし、学生たちは4、5人のグループに分かれてビジネスアイデアを検討。「黒板消しクリーナーの音がうるさい」「使っているうちに消しゴムがちぎれてしまう」といった身近な困り事から「人々の選挙への関心が薄い」「地下鉄の地図が分かりにくい」などの問題を提起し合い、グループとして作成するビジネスプランの方向性を固めた。

 人の睡眠周期から、すっきりと目覚められるアラーム機能の開発を事業計画とした2年の秋田涼花さん(16)は「人が不便に感じているところの解決法を考えるのは楽しい」と笑顔。調味料の容器に目盛などを記すことで、計量器具を使わなくても量を把握できるアイデアを考案した西槙ゆいさん(16)は「次の授業が楽しみ」と声を弾ませた。

 同公庫は3回目の授業にも講師を派遣し、学生のビジネスプランに助言を行う予定。山崎さんは「グランプリへの応募を通し、みんなで話し合いながらつくり上げる楽しさを感じてもらえれば」と語った。

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