苫小牧市役所(旭町)の3階建て北庁舎の屋上で今月、オオセグロカモメの巣が見つかった。親鳥の体長約60センチと同じくらいの大きさで木の枝や土で作られている。すでに産卵が終わり、つがいの親鳥が交代でやって来ては卵を温めている。
市総務課によると、巣は北庁舎屋上のさらに機械室の上にあり、向かい側の南庁舎6階以上から見える。職員が2日に発見した時点で抱卵が始まっており、常にどちらか1羽が卵を守っている。
市美術博物館などによると、オオセグロカモメは下くちばしに赤い斑点がある大型のカモメ科で準絶滅危惧種。通常、岩礁などで群れで繁殖するが、「近くに漁港があって餌が確保しやすく、屋上の高さも営巣環境に適していたのでは」と分析する。産卵は今月初めごろとみられ、ひながかえるまでは3週間程度かかるという。
同課は「市民から巣を撤去しないで―との要望があった。今のところ、危害を加える恐れもないので状況を見守りたい」と話している。