東京から知人がやって来た。かれこれ4度目の北海道釣行になる。今回は記者がガイド役を引き受けて釣りを楽しんでもらう。
ところが予定していた釣り場は降雨のため増水。濁りもひどく場所を変更せざるを得ない。とはいえ広い範囲で雨が降ったため釣りができそうな川がない。仕方ないので近くの渓流でブラウンを狙うことにした。
実は7~8年、その川に釣りに入っていなかった。あえてブラウンを釣らなくてもいいという思いがあったからだ。現状が全く分からないので、出たとこ勝負のつもりで自宅を出発。30分ほど走って道路は川にぶつかった。そこをさらに10分ほど上流に上がった所から入渓することにした。
寒気が入っているためか気温15度となんとも寒い。防寒対策にジャケットを着込んで準備を始めた。今回記者はロッドを持たずガイド役に徹することにした。知人は5・3フィートウルトラライトロッドにベイトリールをセットし、フローティングミノーを結んで釣りを始めた。
入渓地点脇の深みにルアーを投げると、25センチくらいのブラウンが1投目でヒット。ガイドとしては魚がいることが分かりホッとした。リリースして釣りを続行していると、ウェーダーを履いているにもかかわらず足が冷たい。水温計を持っていなかったので手を入れてみると驚くほど冷たい。10度を下回っているだろう。
そのせいかルアーの追いがあまり良くない。2~3匹のブラウンが追ってくるのは見えるが、途中で反転して帰ってしまうことが多い。この状態では釣れないので、一発良い場所にルアーを落として反射食いを狙うしかない。
目の前に深場が現れた。水深があっていかにも大物が居付きそうなポイントだが上に木がかぶっている。障害物をうまくかわさなければならないため難易度が高い。何度かミスキャストをしたが、偶然にも奥までルアーが飛び込んだ。着水してすぐにリールを巻くとズドンとヒット。さおを立てると大きなジャンプを2回繰り返した。バーブレスフックなので一定のテンションを保ちながら寄せてきて無事ランディング。釣れたのは37センチの良型ブラウンだった。
(大中 ■(吉の士が土) 隆)
深場でルアーに反応した37センチのブラウントラウト