「ドールハウスをのぞくよう」 舞台「ザ・ヒューマンズ」出演 山崎静代

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  • 2025年6月17日
演技の際に「裏の意味は考えず、言葉のまま表現したくなる」と語る山崎静代=東京都渋谷区

 2階建てのセットを人物が行き交い、上下階それぞれで会話を繰り広げる。そんなユニークな舞台「ザ・ヒューマンズ―人間たち」(桑原裕子演出)に、お笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんこと山崎静代が出演している。「ドールハウスの形で見せる、他にはない面白い舞台。のぞきに来て」と来場を呼び掛ける。

 米劇作家スティーブン・キャラムによる戯曲で、2014年にシカゴで初演。ブロードウェーなどで上演後、栄誉あるトニー賞などを受賞し、21年には映画化もされた。

 感謝祭を祝うために集まったブレイク家の人間模様を描く。次女が恋人と住むマンハッタンの古びたアパートを、祖母と両親、長女のエイミー(山崎)が訪ねる。

 夜、3世代がそろう食事会が始まると、おのおのが人生の悩みを語り始め、雰囲気が暗くなっていく。そこに謎の物音や停電といった怪奇現象が発生。緊張感が高まる中、ある不都合な真実が浮かび上がって…。

 エイミーは、大病を患った直後に恋人と別れ、仕事もうまくいっていない。「大きな不安を抱えるが、家族を心配させないよう振る舞っている」と山崎。「気持ちをぐっと抑える感じは自分と重なる。昔、相方(山里亮太)にわーって言われることがあっても、私はこらえて、泣いて(笑)。自分のことは言わず、まず人のことを聞く部分は似ている」

 ただ、自身は「うそがつけない性格」。エイミーが抱く感情をストレートに表現したくなる瞬間もあるそうで、その感覚はかつて五輪出場を目指した自らのボクシングスタイルに重なるという。「ボクシングってだまし合い。パンチを当てるために下と見せかけて上を殴るとか、フェイントしないといけないのに、私はイノシシのように突っ込んで行く。それが芝居にも出てしまう」。少し困ったようなほほ笑みに、実直な人柄をのぞかせた。

 演技の際に「裏の意味は考えず、言葉のまま表現したくなる」と語る山崎静代=東京都渋谷区

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