潰瘍性大腸炎の発症は血液検査で約5年前から予測可能であることを実証したと、東北大の研究グループが発表した。
研究グループは、「東北メディカル・メガバンク計画」で収集した8万人超のデータを用い、潰瘍性大腸炎患者の発症前の血液検体を非発症者と比較。血中の自己抗体の一種で、活性化プロテインC受容体に対する抗体と、抗インテグリンαvβ6抗体による潰瘍性大腸炎発症の予測精度を検討した。
その結果、発症の約5年前から二つの自己抗体の抗体価は高く、発症時期に近いほどより上昇していたことが分かった。両抗体による診断精度はほぼ同等で、組み合わせるとより予測能が高まった。また、不眠が潰瘍性大腸炎発症のリスク要因になることも示された。
研究グループは「早期発見や発症予防につながることが期待される」と述べている。
(メディカルトリビューン=時事)