安平町の追分中学校(渡辺知峰校長)で8月30日、道徳の一環として命を守る教育「いじめ予防授業」を開いた。苫小牧人権擁護委員協議会の岡田秀樹会長を講師に迎え、1年生18人が法律に触れながら、いじめの定義について理解を深めた。
授業では、4班に分かれてグループディスカッションを実施。友達に貸したDVDに傷が付いて返ってきたことがきっかけとなり、その後、借りていた生徒が集団から仲間外れにされ、学校に行きたくなくなった―という事例を基にいじめの定義を考えた。
このケースについて、いじめと「思う」と答えた生徒は多く、理由としては「一方的過ぎる」「悪意がある」「1人対複数」との声が上がった。一方で「損傷させたことを含めて考えることが必要」との意見から「思わない」との回答もあった。
岡田会長は「相手にどんなに落ち度があっても、心身に苦痛を感じる行為はいじめ。いじめで返すことは禁じられている」と強調。ただ、「DVDに傷を付けられた側の気持ちもくみ取り、大きな問題にならないよう相手の気持ちを想像することが大切」と説いた。
授業を振り返り、小笠原佑菜さん(12)は「人を傷つける行為は、何があっても駄目だと改めて思った。自分の行動と発言に、責任を持たなければいけないと感じた」と話した。