苫小牧市内の少年野球チームが、新型コロナウイルス感染拡大による「緊急事態宣言」の延長を受けて、活動休止期間が31日までに延長となった。小学年代最高峰の大会につながる第49回全道少年軟式野球大会兼高円宮賜杯第40回全日本学童軟式野球支部予選(23日から、少年野球場など)も中止が決まり、影響は広がりを見せる。事態収束後の支部単位大会や秋以降の全道大会開催に向けた模索も続いていて関係者が注目している。
市内では16チームが登録し、毎シーズン力を競ってきた。2月下旬に市内各小学校が全校臨時休校措置が取られたことを受けて冬季練習をいったんやめた後、3月20日ごろからは屋外のグラウンドなどで順次再開していた。
春先の練習で各チームは選手以外の保護者やコーチのマスク着用を実行。整列のときには間隔を開けるなど対策を講じる様子も見られ、団員たちのはつらつとした姿が各地のグラウンドに広がった。
その後、4月17日から再び活動は中止となった。沼ノ端スポーツ少年団投手の石川瑛二朗(ウトナイ小6年)は「みんなで野球ができると思っていたけれど、また期間が延びてしまって残念」と困惑している様子だった。
こうした中で、関係団体の間では事態収束後をにらんだ大会開催の話し合いが続く。練習禁止期間明けには市内の東・西両地区に分かれた交流大会を行う計画が浮上しており、例年なら北海道日本ハムファイターズが夏に主催するファイターズベースボールチャンピオンシップU12全道大会の秋冬開催案も検討されている。10~12月の開催が実現すれば、前段の苫小牧地区予選も9月ごろとなる見通しだ。
昨年度のU12全道大会胆振地区からの出場チームでベスト8になった飛翔スワローズの主将で捕手、伊藤優誓(美園小6年)は「みんな悔しい気持ちを持っていると思うので、試合ができるようになったらチームの勝利に向かって全力でプレーしたい」と意気込みを見せた。
向井拡充監督も「さまざまな大会が中止になっている中で、開催の方向に向かっている大会があることは6年生にとってもよいことだと思う」と前向きだ。
依然としてコロナ禍の影響は予断を許さない状況が続く。沼ノ端の石川将一監督は「厳しい状況ではあるが、野球ができることに感謝できるよい機会になったと思う。収束したときには喜びをかみしめ、諦めない姿を見せてほしい」と語った。