駒大苫小牧高校女子硬式野球部がこの春、創部してチームが始動する。コーチには元女子プロ野球選手の佐藤千尋コーチ(30)が就任した。全体指揮を執る茶木圭介監督(42)=同校教員=は「1年目から日本一を目指す」と意気込んでいる。
同校の女子硬式野球部には、道内を中心に青森県や神奈川県などの6人を加えた計24人の1年生が入部予定となっている。新型コロナウイルスの影響で開催は未定だが、スイートデコレーションカップ(7月、江別市)といった全道規模の大会出場へ向けて練習していく。
同校の教員となった佐藤コーチは岩手県出身。一関第一高―北海道教育大岩見沢校を経て、2012年に日本女子プロ野球リーグの兵庫スイングスマイリーズに入団。ソフトボール経験者で右投げ左打ち。中堅手を軸に二塁手などの内野手もこなしてプロ球団4チームを渡り歩き、埼玉アストライアでは主将を務めた。
昨年12月で現役を引退するまでにゴールデングラブ賞やベストナインなどのリーグ表彰も受けてきた
高校女子の指導者として新たなスタートを切る佐藤コーチ。「引退後に指導者になることは考えたことがなかった」と言うが、プロ選手として究めてきた大切な事柄を駒大苫小牧で踏み出す高校生に伝えようと一念発起。「技術的な指導だけでなく、野球を通してチームワークや礼儀など人間的な成長にもつなげたい」と話す。
茶木監督は「フレッシュな感覚を部活の現場に持ち込んでほしい。プロ選手の経験を大いに生かして」とコーチに期待する。
チームは11日から本格的に練習を開始の予定だ。新型コロナウイルス拡大懸念の情勢下、硬式・女子のジャンルの大海原へ波乱の船出となるが、一丸で高みを目指す。仮に開催されれば夏の全国大会にも出場する方針で茶木監督は「優勝して苫小牧の地域や野球界を盛り上げたい」。佐藤コーチも「やるからには勝ちたい。かっこいい女子チームをつくり上げる」と意気込みを語った。