恵庭市の人口が3日までに7万人の大台に達した。想定より1年早く、1993年6月に6万人になってから26年3カ月を経ての到達となった。全国的に少子高齢化による人口減少が進む中、着実な増加は道内でも珍しい。切れ目のない宅地開発や札幌市、新千歳空港からも近く、暮らしやすい環境が人口を呼び込む要因になっている。人口7万人都市達成を祝って3日午前、市役所1階の市民課ロビー前で記念セレモニーがあり、今後のまちづくりへの弾みを付けた。
道内34市中、市の人口規模は岩見沢市(8万866人、8月末)に次ぎ13番目。
セレモニーでは原田裕市長と市議会の野沢宏紀副議長がくす玉を割り、人口7万人の節目を祝福。市長はあいさつで「このまちにとってとても大きな区切り。7万人達成は先人の方たちとここにいる皆さまのおかげ」と感謝。今後の発展に向けて「未利用地の開発や支援、今年中に造成する戸磯工業団地への誘致も積極的に行うほか、豊かな自然などの魅力を発信し知名度を高めたい」と話した。
市の住民基本台帳によると、9月30日現在の人口が7万9人(男3万4088人、女3万5921人)になった。世帯数は3万3728世帯。
これまでの月末人口の推移を見ると、恵庭が町から市になった1970年11月末の人口は3万4810人。その後は恵庭テクノパークなどの工業団地の整備による企業進出と農地を市街化区域に編入した恵み野開発(79~90年)などで人口は急速に増加。87年3月末には5万人、93年7月末に6万人に到達した。この間、わずか6年4カ月だった。
その後も、2002年のJR恵庭駅快速列車停車が大きな追い風となった市内黄金の宅地造成(95~2010年)や、恵み野里美地区の開発(13~15年)などを展開し、受け皿が充実。低廉な地価や、新千歳空港の従業員の増加、道都札幌市からの近さなども追い風となり、人口を増やした。
近年は死亡数が出生数を上回る自然減となっているが、転入が転出を上回る社会増が堅調に続いている。
10年度に策定し、17年12月に改定した人口ビジョンでは、20年に7万人のピークを迎える見通しだったが、今年に入ってから6万9000人台後半で推移。7万人到達が”秒読み”の段階となっていた。