元球児たちが集う、第2回マスターズ甲子園北海道大会は8月31、9月1の両日、苫小牧市内のとましんスタジアム(苫小牧市営緑ケ丘球場)と清水球場で開かれた。1日の決勝では苫小牧工業高と駒大苫小牧高が激突。昨年の第1回大会と同じ顔合わせとなった対戦は5―4で苫工が勝利し、大会連覇を果たした。
マスターズ甲子園は全国の高校野球OB、OGが性別、世代、甲子園出場の有無などさまざまな垣根を越えて出身校別にチームを結成し、母校のユニホームで阪神甲子園球場の本戦出場を目指す活動。2004年にスタートし、高校野球同窓会として全国的に定着した。甲子園で毎年秋に熱戦を繰り広げている。北海道は昨年、出場枠を確保でき選抜チームで参加した。
今大会は苫工、駒大苫、苫小牧東高はじめ札幌、十勝管内などの選抜チームを合わせ8チームで多世代のOBらが参加。2日間にわたるトーナメントを展開し、親善試合の中にも真剣勝負の場面が見られた。
決勝は白熱したシーソーゲーム展開となった。苫工は1点ビハインドで迎えた三回、長短打を絡めた攻撃で2点を奪い逆転に成功。その後は両チームともに点数を取り合って五回で3―3に。苫工は六回裏、駒大苫のバッテリーエラーで走者が生還し、勝ち越しに成功して勝負を決めた。
大会は軟式球を使用した。7回制で三回までは34歳以下、四回以降は35歳以上のメンバーで戦うのがルール。今年度は北海道地区の本戦出場枠はないため、定期大会に位置付けてマスターズ甲子園の普及と参加者同士の交流を図った。来年度の本戦出場を視野に入れている。
今大会は、当初見込んでいた1校が出場できなくなった関係で、元室蘭大谷(現・大谷室蘭)の監督を務めた金澤孝祐さんの呼び掛けもあり、室蘭大谷と苫小牧南が中心となった選抜チームを結成。規定により、上位進出はできないもののはつらつとしたプレーで大会を盛り上げた。道内のマスターズ甲子園普及に向けて一歩前進した格好。現役時代に苫工監督を務めた金子満夫さんも応援に駆け付け、教え子たちの勇姿を目に焼き付けた。
支部発足前から活動に尽力している苫工OBの蔵重俊男さんは「良いプレーが出ていた。各校の恩師たちも応援に駆け付けてくれて、無事終えることができてよかった。本戦出場を目指してさらに規模を拡大できれば」と話した。今大会の実行委員長を務め、苫工チームを率いたマスターズ道央支部の渡辺健治会長(苫工OB)は「練習できなかった中でも無事に優勝できてよかった。来年も優勝を狙い、きっちりメンバーを集めて本戦に向けて準備をしていければ」と語った。
大会の結果は次の通り。
▽決勝
駒大苫小牧
1000200ー3
002101Xー4
苫小牧工業
▽準決勝 苫小牧工業4―1札幌西、駒大苫小牧7―4苫小牧東
▽1回戦 選抜チーム11―3札幌西(規定により札幌西が準決勝進出)苫小牧東11―0札幌旭丘