2月2日の節分にちなみ、苫小牧市内各所で1日から3日にかけ、豆まき行事が行われた。高丘の樽前山神社(永井承邦宮司)で2日、節分祭「福豆撒(ま)き」の神事が行われた。かみしも姿の年男年女、年祝いを迎える23人が壇上から豆やお菓子をまくと、参拝者ら約500人が歓声を上げながら福豆に手を伸ばしていた。 社殿での神事に続き、市の公式キャラクターとまチョップも社務所前の壇上に登場。永井宮司と金澤俊市長が鬼を追い払う「鳴弦(めいげん)の儀」で清めの矢を放った後、「鬼は外、福は内」の掛け声に合わせ、にぎやかな豆まきが始まった。 この日は晴天の日曜日とあって、多数の家族連れが参拝。お菓子や縁起物の景品引換券付きキャラメルもまかれ、「こっちに投げて」と壇上にアピールする光景も見られた。 厄払いで神社を訪れた日新町の会社員田中康平さん(41)は「豆撒き行事には初めて参加したが、楽しかった」と笑顔。弥生町の白澤楓乃音さん(7)、紫音さん(7)きょうだいも「なかなか豆を取れなかったが面白かった」と、節分の伝統行事を楽しんでいた。 有珠の沢町の児童発達支援施設に1日〝赤鬼〟が出没し、子どもらを驚かせた。元中野町で葬儀会社を営む大場公重さん(58)によるボランティア活動。20年ほど前から毎年この時期に福祉施設や病院、個人宅などを訪問している。 この日は、「こどもデイサービスらら」のお楽しみ会に登場。トラ柄の手作り衣装をまとって銀色の金棒を振りかざし、子どもたちに接近した。恐ろしい形相にたじろぐ子もいたが、女性職員が「早く鬼を退治して」と声を上げると、子どもらは一斉に豆に見立てたカラーボールを投げ付けた。 〝鬼退治〟に加わった桜木町の髙橋晴仁君(6)は「面白かった」と大喜び。最後は参加者全員で、鬼の大場さんと仲良く記念撮影した。 鬼の出張ボランティアは口コミやFMとまこまいでPR。例年、節分前後の3日間で30~40カ所ほどを駆け回る。クリスマスシーズンはサンタクロースも演じており「体力が続くうちは活動を続ける。子どもたちの喜ぶ顔を見られてうれしい」と笑顔で語った。 認定こども園や保育園でも3日、豆まきが行われた。矢代町の認定こども園苫小牧すみれ保育園(髙嶋清香園長)では、園児48人が参加。鬼に扮(ふん)した職員2人が太鼓の音を合図にホールに登場すると、恐怖のあまり大粒の涙を流す園児もいたが「鬼は外」「福は内」と大声で叫びながら、チラシを丸めて作った「豆」を投げて、必死に追い払った。 柏谷琉夏ちゃん(5)は「怖かったけど鬼を退治できた。もう悪い事はしない」と話した。