昨年7月、苫小牧港・西港の苫小牧西防波堤灯台付近で、川崎近海汽船(東京)が運航する八戸港(青森)発のフェリー「シルバーブリーズ」(8901トン)が座礁した事故で、苫小牧海上保安署は4日、業務上過失往来危険の疑いで、当時の男性船長=当時(58)=を札幌地検苫小牧支部に書類送検したと発表した。
書類送検容疑は2024年7月2日午前1時5分ごろ、苫小牧港・西港のフェリーターミナルから南西約2・5キロの海域で、レーダーや電子海図などの航海計器を使って船位を正確に把握しないまま自身の経験を過信し、漫然と航行を続けた結果、消波ブロックに乗り上げて座礁。船舶の往来に危険を生じさせた疑い。
苫小牧海保によると、同フェリーはタグボート4隻にえい航されて離礁し、11時間遅れで同フェリーターミナルに到着。当時船内には乗客119人、乗員21人が乗船していたが、けがはなかった。調べに対し、男性船長は「経験に頼って、目視のみで航行を継続してしまった」と容疑を認めているという。