苫小牧市内の一般社団法人苫小牧タウンマネジメントは5月28日、双葉町の新苫小牧プリンスホテル「和~なごみ~」で、教育関係者や企業の代表者らを集めたキャリア教育に関する情報交換会を開いた。同法人の内部組織で中学生の職業体験をサポートしてきた「未来の担い手発掘部会」が初めて企画し、約30人が参加した。
市内中学校では、生徒が地域の企業を訪問して仕事を体験するキャリア教育を展開。企業選びや協力依頼、日程調整は教員が行っている。同部会は学校側の負担軽減と生徒に幅広い分野の体験が提供できるよう、2023年度から試行的に学校と企業の橋渡しをしている。
櫻田泰己部会長は「地域の未来を担う世代に地元企業の魅力を知ってもらう機会としても職業体験は重要」と説明。24年度は同部会の呼び掛けに企業41社が協力意向を示し、3校の生徒の受け入れにつながったことを報告した。
中学校教員の藤田哲郎さんは、教員が企業を選ぶと業種に偏りが生じがちな点を指摘。「このまちで働くたくさんの格好いい大人や多様な働き方と出合うためにも、このようなサポートはありがたい」と語った。
意見交換では、市内出身の大学生が「自分はとてもいい経験をさせてもらったが、このままでは中途半端なものになってしまう可能性もある」と懸念を示した。別の参加者は、受け入れ可能な企業の情報提供から体験申し込みまでを一元化できるプラットフォームの構築を提言した。
同部会は25年度も3校程度の職場体験をサポートする考えで、櫻田部会長は「生徒にとって、自分たちのことを大切に考えてくれている大人の存在を知る場にもなるよう取り組んでいきたい」と語った。