苫小牧骨髄バンク推進会(矢嶋翼会長)が2024年度に受け付けたドナー登録者数は553人で、前年度の387人から166人(42・3%)増え、過去最多を更新した。献血会と並行したドナー登録会を市内外で開き、丁寧な説明を重ねて協力者を集めてきた。今年度も引き続き登録会を積極的に開いていく考えだ。
骨髄バンクは白血病などの血液疾患により、健康な血液を作る細胞の移植を必要としている患者と、それを提供するドナーをつなぐ仕組み。日本骨髄バンクによると、国内では約56万2000人のドナーが登録している。
市民有志でつくる同推進会は、商業施設や公共施設、自衛隊駐屯地などの献血会場に登録ブースを設け、献血に訪れた人に協力を求める方式で登録会を実施。15年度以前は年間50~60人台だったが、17年度には415人が登録。コロナ禍の20~22年度も100人台をキープしていた。
最多を更新した24年度は、苫小牧市役所、イオンモール苫小牧、苫小牧高専、千歳や恵庭の陸上自衛隊駐屯地などで計31回の登録会を実施。うち、自衛隊では登録会を12回行い、296人が協力。活動した同推進会の説明員は延べ105人に上った。
矢嶋代表によると、24年度の登録会などによる道内全体のドナー登録者は約600人で、同推進会で受け付けた人が9割以上を占めたという。矢嶋代表は「協力してくれた皆さんには感謝しかない。全国的にも長く活動してきて、過去最多を達成できて何より」と語る。
骨髄移植は多くのドナー登録者がいるものの、患者と血縁関係のないドナーの白血球型が一致する確率は数百~数万分の1と低い。同会は今年度も同程度の登録会を予定しており、「一人でも多くの患者を救うためには、ドナーを増やすことが何よりも重要。初心を忘れず活動を重ねたい」と話している。