沖縄県内で2024年5月、性的暴行をしようとした女性にけがをさせたとして、不同意性交致傷の罪に問われた在沖米海兵隊上等兵のジャメル・クレイトン被告(22)の裁判員裁判の初公判が2日、那覇地裁(小畑和彦裁判長)であり、被告は無罪を主張した。
罪状認否でクレイトン被告は、女性と性的行為をしようとはしていないと説明。「首を絞めていないし、傷も与えていない。疑われるようなことは一切していない」と述べた。
検察側は冒頭陳述で、被告は繁華街で女性に声を掛け、家まで送ると言ってつきまとい、拒否されたのにタクシーに一緒に乗り込んで女性の交際相手の家に向かったと指摘。タクシーを降りた後、家の中までついて行き、交際相手が寝ていることを認識すると女性に暴行したと述べた。
弁護側は、被告は女性の承諾を得てタクシーに同乗したと主張。交際相手宅前で降りて女性とハグをした後、その場から立ち去っており、暴力行為は一切していないと反論した。
起訴状によると、被告は昨年5月26日、沖縄県内で、性的な目的で女性の背後から腕を回して頸部(けいぶ)を絞め付けるなどの暴行を加え、約2週間のけがをさせたとされる。
沖縄県内では昨年来、性的暴行など米兵による事件が相次いでいる。昨年、性暴力事件に関する情報が速やかに県に伝わっていなかったことが明らかになり、政府は関係自治体に可能な範囲で迅速に情報提供を行うよう運用を改定。県警は逮捕、書類送検した段階で県に通報する体制を整えた。