韓国でベストセラーとなり、日本でも2024年本屋大賞翻訳小説部門1位を獲得した「ようこそ、ヒュナム洞(どう)書店へ」の著者ファン・ボルムによる読書エッセー「毎日読みます」(牧野美加訳、集英社、1980円)。本を読むことの喜びがあふれんばかりに詰まっていて、本好きの読者は「あるある」と何度も膝を打つだろう。
ベストセラーに近づいたり離れたりする作法、古典と今の本を手に取るバランス、小説を読むメリット、詩の難解さが読者を自由にさせるという考え方、電子書籍より紙の本の方がよく頭に入る理由などが、著者の体験談と共に語られる。古今東西の本が紹介され、米原万里や立花隆、村上春樹といった作家、「嫌われる勇気」「ローマ人の物語」など日本発のベストセラーも登場する。