プロ野球巨人で歴代1位の通算868本塁打の記録を残した王貞治さん（現ソフトバンク球団会長）が3日、東京都内で取材に応じ、共に野球人生を歩んだ長嶋茂雄さんの死を悼んだ。「誰にでも来るのだけど、一番来てほしくない人に来ちゃったね」と沈痛な面持ちで語った。

　王さんと長嶋さんは「ON」砲として巨人打線を引っ張り、日本シリーズの9連覇に大きく貢献。長嶋さんはプレーだけでなく人柄でも愛され、「ユーモアがあって明るいから何でも許されちゃう。不思議な魅力があった」という。

　長嶋さんがスターであり続けた理由は「球際の強さ」にあったとみている。体が泳いでもバットの芯を合わせ、「球が野手のいない所に飛んでいく。そういう体勢でも打ってヒーローになったというのが、ファンの胸を余計にかき乱したんじゃないか」と話した。

　2000年には長嶋さんが巨人、王さんはソフトバンクを率いて日本シリーズでON対決が実現。同僚として、そして監督同士として過ごした掛け替えのない日々を思い浮かべ、「ありがとうございました、という言葉ですべて表せる」と感謝の気持ちを込めた。