昨年出生数、初の70万人割れ 少子化加速止まらず 厚労省 出生数も過去最低1.15

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  • 2025年6月5日

 厚生労働省は4日、2024年の日本人の人口動態統計を公表した。24年に生まれた子ども(出生数)は68万6061人で初めて70万人を下回り、統計がある1899年以降最少となった。1人の女性が生涯に産む見込みの人数を示す合計特殊出生率も1・15と過去最低を更新し、いずれも9年連続の下落となった。

 出生数は、1949年の約269万人がピークで、75年ごろ以降は減少傾向にある。2016年に100万人を割り、19年に90万人、22年には80万人をそれぞれ下回った。政府は「こども未来戦略」に基づき重点的に対策を進めているが、加速する少子化に歯止めがかからない状況だ。

 24年の出生数は前年比4万1227人減で、出生率も同0・05ポイント低下した。国立社会保障・人口問題研究所の推計より15年ほど速いペースで少子化が進んでおり、厚労省は「危機的な状況に変わりはなく、対策に力を入れる」としている。

 都道府県別で出生率を見ると、西高東低の傾向があった。東京が前年に続いて1を割り、0・96と最も低く、次いで宮城1・00、北海道1・01だった。最も高かったのは沖縄の1・54で、福井が1・46、鳥取、島根、宮崎が1・43で続いた。

 減少傾向だった婚姻数は2年ぶりに増加。前年比約1万組増の48万5063組だった。平均初婚年齢は男性が31・1歳、女性が29・8歳で、第1子出生時の母親の平均年齢は前年と同じ31・0歳だった。

 死亡数は160万5298人となり、75歳以上の高齢者が8割を占めた。出生数が死亡数を下回る自然減は91万9237人と過去最大で、人口減少も進んでいることが浮き彫りとなった。

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