ヒグマの危機管理マニュアル見直しへ 苫小牧市、新たに「特別警戒態勢」

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  • 2025年6月6日
赤外線機能が付いたカメラでヒグマを捜索する市職員=4日、苫小牧市明野元町

 苫小牧市内の住宅地で3日から、クマの目撃情報が相次いだことを受け、市はヒグマに関する危機管理マニュアルに新たに「特別警戒態勢」を加える方針を決めた。子どもの登下校時間帯のパトロール活動などが該当し、今回の拓勇地区や明野元町での対応も特別警戒態勢と位置付け、6日まで継続する。

 同マニュアルはヒグマに特化し、状況別の対応を明確にするため2022年に策定。ヒグマが市街地を徘徊(はいかい)した場合、「0~3」段階の有害性の判断基準を定め、対応を明記している。3日未明の拓勇東町、拓勇西町での出没は「人を恐れて避ける」の「0」に該当し、マニュアルに従えば▽市職員と市ヒグマ防除隊による痕跡と被害状況の調査▽注意看板設置▽ホームページによる周知▽必要に応じて連絡通報―が基本行動だった。

 しかし市環境生活課は、出没が住宅地の中の公園だったことやクマの行き先が不明、近くに小学校が2校あり保護者から心配する声が上がったことなどから、市ヒグマ防除隊との痕跡調査や赤外線カメラを使った捜索を3日間継続。目撃場所近くの通学路のパトロールや市教育委員会との情報共有など、基本行動に加えて警戒を強化した。

 6日午前の段階で新たな目撃情報や痕跡は確認されていないが、市環境衛生部の武田涼一次長は「これまで想定していなかった地域でクマが目撃された。今回の事例を検証し、できるだけ早くマニュアルを見直したい」と話している。

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